表立って載せるほどではない小噺と、あとがき。 その他キャラ設定などなど、徒然なるままに書き連ねるページ。 

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21/アツサニマケズ(上泉→隆二&マオ)

 クライアントとの待ち合わせ場所。
 それがこの喫茶店。
 頼んだアイスコーヒーを飲みながら、今までこのクライアントとのやりとりをノートで確認する。
 依頼は離婚。
 相手方の代理人とも話し合って、裁判までは行かず話し合いで解決しそうな空気を見せている。
 今日のもただ単に、お互いが都合がいい日を確認するためだけ。

——。
「いらっしゃいませ」
 自動ドアが開く。
 そちらを見ると、クライアントが視線をさまよわせていた。軽く手をあげると、彼女は気付きこちらにやってくる。
「おはようございます」
「おはようございます。暑い中すみません」
「ちょっと、今何か頼んできますね」
 そういって彼女はレジカウンターへ向かう。


「ごちそうさまでした」
 そういって、私のすぐあとに来た若い女性が出て行った。

 *

 話し合いで解決する方向で決定し、クライアントと別れたあと事務所に向かって歩く。
 先ほどアイスコーヒーを飲んだにも関わらず、喉の渇きを感じた。
 仕方なく、近くのコンビニに入る。ペットボトルのお茶を手にとると、レジへ向かう。
「いらっしゃいませ」
 若い男性の店員がそういった。


 コンビニから外へ出ると、入り口のところで若い娘達が座り込んでしゃべっている。
 ごみも散らかしていて、ここは何か注意した方がいいのだろうか?
 そう一瞬悩む。
 悩んでいる間に
「ちょっと、貴方達何こんなところで座ってるのよっ!」
 この娘達と同じぐらいの年頃の女の子がそう怒鳴った。
 女の子の連れであろう。もう一人の女の子と男の子が困った顔で彼女たちを見ている。
「あんたたちみたいなのがそうやってやるから大人たちに、まったく近頃の若者はとか馬鹿にされるんでしょ? いい迷惑なのよ」
「はぁ?うっせぇよ」
「そこのばばあも何見てるんだよ?」
 何の意味が“WHY”“WHAT”かで質問の返事が変わってくるだろう。そんなおかしなことが頭を一瞬よぎり、そうじゃないと慌ててその考えを打ち消した。
 弁護士としては、それ以前に常識のある大人としてこんな言い争いを傍観しているわけには行かず口を開きかけ、
「あー、すみませんお客様」
 先ほどの店員が店から顔を覗かせて言った。
「すっごい迷惑なんでやるならよそでやってもらえます?」
 やる気のなさそうな口調で一同を見回して言った。
「暑いし。なんだったら営業妨害で警察呼びますよ」
 説得力のかけらも無い言い方だったが、座っていた娘達は多勢に無勢と判断してなのか立ち上がり逃げていった。
 ごみは残したままだけど。
 それを拾おうとすると、
「あー、いいですよ、お客様」
 店員がため息をつきながら言う。
「あとはやりますんで」
 それでも手伝おうかと思ったときに、携帯電話がなった。秘書の隅木さんからで、私は慌ててそれに出ながら店員に一礼してその場をさった。

『上泉先生、どこにいるんですか? 硯先生じゃないんだからはやく帰ってきてください』
 そんな小言を聞きながら、私は走った。
 どんなに暑くても、そして寒くても、仕事は待っていてくれないのだ。

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