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表立って載せるほどではない小噺と、あとがき。 その他キャラ設定などなど、徒然なるままに書き連ねるページ。 

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14/真夏の夜のお仕事(上総→譲)

「何だったんだろうな、さっきの」
「どちらですか?」
「両方だよ。あの笑い声も小娘も」
 黒猫と鴉がそう会話する。
 闇にどうかした彼らは、ぱっとみ何処にいるのかわからない。
「……暑いですからね、最近」
「お前も対外酷い奴だよな」
「あの笑い声もそうですが、あのような真っ赤な洋服を着ている人間がまともだとは思えません」
「ああ、それは同感だ」

「シャドー、ファントム」
 闇の向こうで二人を呼ぶ声がする。
 一匹と一羽と同じ漆黒のドレスを身にまとった、彼らが主が言った。
「そろそろ行くわよ」
「了解」
「わかりました」
 一匹と一羽は、彼らが主の足元に擦り寄った。

 *

「今晩は」
 主は裾をつまんで一礼した。
「……君は誰だ?」
 家の持ち主が訝しげな顔をした。
「人は魔女と呼びます」
 そして、持っていた杖を彼に向けていった。
「貴方の罪、狩らせて頂きます」
「罪?一体何?」
 彼はおどけた調子で言う。
「連続通り魔事件、ですよ。そんなこと、貴方が一番わかっているでしょう?」
「証拠は?」
「そんなものありませんよ」
 魔女は言い切った。
 彼は、ふんっと鼻で笑った。
「ならば、僕を責めることは誰にも出来ないさ」
「そうですね。法では裁けません」
 魔女は首肯した。
「法で裁けないからあたしがいるのですよ」
 そう言って、嗤う。
「昔から、魔女は罪を狩ってきたんです。それが」
「人を呪わば穴二つ」
「法で裁けないからと言って、野放しにするわけにはいかないんですよ」
 一人と一匹と一羽は言った。
 彼は黙った。
「よろしいですか? 何か言い残したことはありませんか?」
 魔女が尋ねる。
 彼は何も言わない。
「でしたら、」
「……僕は死ぬのか?」
「いいえ」
 魔女は首を横に振った。
「貴方は自らの罪を認めて警察へ自首するんですよ」
「誰がおまえなんかを楽な方へ逃がしてやるものか」
「罪をきちんと償ってください」
 一人と一匹と一羽は言った。
 彼は何もいえなかった。

「それでは」

 魔女は杖を頭上へ持っていき、

「貴方の罪、狩らせて頂きます」

 そのまま振り下ろした。

 *

「帰りましょう」
 彼が気を失ったのをみると、魔女はそう言って立ち上がった。
「明日の新聞が楽しみね」
 自嘲気味にそういうと、窓からそっと飛び降りた。
 一匹と一羽は黙って後に続いた。
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