表立って載せるほどではない小噺と、あとがき。 その他キャラ設定などなど、徒然なるままに書き連ねるページ。 

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名前〜Please call my name〜

 あたしには、名前がなかった。

 名前がないということは、ひどくあやふやなこと。
 ひどく不安定なこと。
 形がないこと。
 消えてしまいそうなこと。

 あたしをつくったあの人間達は、あたしに名前をくれなかった。ずっと、あたしを“それ”とか“あれ”とかそれから“認識番号”で呼んでいた。
 彼に会ったとき、あたしは胸がどきどきした。怖かった。
 また、名前を貰えないかもしれないと不安で不安でしょうがなかった。

 彼は、腕を組んで悩んだ後言った。
「マオ。それでいいか?」

“マオ”
  その二つの音が紡がれるのを、あたしがどれだけ心待ちにしているか、彼は知らない。
 それこそ、猫のように耳を立てて待ちかまえているのを彼は知らない。

 彼がその低く耳に心地よく響く声で、あたしの名前を呼ぶのをあたしは心待ちにしている。
 呼ばれたその瞬間に反応することが出来るように、待ちかまえている。

「マオ、バイトに行くがどうする?」
『行く!!』

 なぜならそれは、あたしが初めて手に入れた名前だから。
 名前を呼ばれるたびに、あたしはここにいていいんだと確認できる。
 “マオ”
 例え、それが偽りの名前であったとしても、あたしにとっては本当の名前でしかない。
 例え、それが仮初めの名前であったとしても、あたしにとっては本物の名前でしかない。
 それ以外の何も知らないから。

 それになにより、
「マオ、バイトの邪魔はすんなよ」
 それになにより、彼がつけてくれた名前だから。
 彼が呼んでくれる名前だから。
 そう、彼だけが。

 だからあたしは、この名前が大好きなんだ。
設定のずれが生じそうなので短編は全部こっちに移すことにしたのです
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