表立って載せるほどではない小噺と、あとがき。 その他キャラ設定などなど、徒然なるままに書き連ねるページ。 

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メリークリスマス

『クリスマスにはサンタさんがプレゼントくれるんだってー! 隆二サンタさん見たことある? 信じてる? いるよね?』
 畳み掛けるような勢いのマオの質問に
「見たことないし信じてない。プレゼントもらったことないし」
 隆二は本から目を離さずに答えた。

 いつもと同じ、神山家のソファーの上で繰り広げられるやりとり。
『むー! それは隆二が悪い子だからでしょ! ねーねー、いるよねー!』
 マオは隆二の左手を掴み、がくがく揺すると、
「あー、今いいとこなんだから邪魔すんな」
 本を読んだまま冷たく言われた。片手でリモコンをいじり、テレビをオン。
『むー』
 マオは不快に思ったものの、これ以上怒らせるのも嫌だったので、大人しくテレビの方を向いた。
 いつもなら釘付けになるテレビも今日はあんまり楽しくない。もうすぐ日付がかわり、イブがクリスマス当日になる。
 ちらちらと窓の外に視線をうつしてしまう。
 と、赤いなにかが外を横切った。
『!! ねー、隆二! 今の見た?!』
 慌てて振り返り、彼を見るが、本を見たまま無視された。
 それ以上隆二には構わず、慌ててマオは外に出る。
 キョロキョロ辺りを見回し、ふわりと上に浮き上がる。
 と、となりの家の屋根の上に、トナカイがひくソリと、それに乗った赤い服の男性がいた。
『サンタさん!!』
 悲鳴のような声をあげて、指をさす。
 サンタはマオに気づくと、いい笑顔でサムズアップをした。
「やぁ幽霊のお嬢さん、メリークリスマス」
『メリークリスマス!』
「うーん、お嬢さんにあげるプレゼントはないんだが」
『ううん』
 マオは首を横にふると
『サンタさんに会えて満足!』
 楽しそうに笑う。サンタはまた無意味にいい笑顔で親指を立てた。トナカイまでもがマオの方を向き、にかっと笑った気がした。
 そのままサンタは空を駆けていく。

 その姿をマオは笑ったまま見つめた。
 サンタなんか見たことないという、隆二の言葉を思い出す。
 笑みがこぼれる。いたずらっ子のような、勝ち誇った笑み。
『りゅーじは知らないけど、あたしは知ってること』
 小さく呟く。ソリが小さくなる。
 堪えきれなくなって、空に向かって叫んだ。
『あたしの勝ちー!!』
 街行く人には届かない叫びは空に溶け、ちらほらと雪が降ってきた。
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