ニュアンス労働法
ツイッターで一人楽しく書いている、ニュアンス労働法ーお嬢様と運転手のお話。
試験終わったら軽くまとめようと思うけど、忘れない様にメモ。
お嬢様。
某大手企業グループ総帥の一人娘。おしゃまさん。我が侭。
小学6年生。イケメン好き
運転手
もともとはお嬢様付きではない運転手のはずが、お嬢様に気に入られたのでほぼお嬢様付きの運転手。
茶髪、口ひげ、愛煙家、腹黒い
20代後半?
以前はタクシー会社で働いていたが、争議行為の関係で会社を辞めた。
残念ながらカノジョがいる。
「イースタン・エアポート事件と東谷山家事件」
あたしは某大手企業グループ総帥の一人娘。パパは心配性だから、あたしの学校の送り迎えにハイヤーを付けてる。運転手は3人いて、みんなあたしのお気に入り。清潔感のあるイケメンがいいの。だから、みんな黒髪で髭もきちんとそって、白い手袋をつけているわ。
でも、あたしの特にお気に入りの一人が今月で辞めてしまうの……。とっても残念で、たくさん駄々をこねたけど、お家の事情は仕方ないわ……。新しい人もイケメンだし。そして、新しい人の初勤務の日。パパと新しい運転手がもめているのを見かけたの
新しい運転手は、茶髪で口ひげを生やしていたの。パパはそれに怒っていたわ。シュウギョウキソクに反するって。ああ、でもね、でもね。茶髪でも短い髪の毛はとっても爽やかだし、口ひげもとってもお洒落だったわ!!彼は爽やかでとっても格好よかったの!!
だからね、あたしはパパに言ったの。茶髪ぐらい今時クラスの男の子だってしているし、彼の茶髪はそんなに明るくなかったし、髭だって無精髭じゃなくて綺麗に整えていた口ひげだったし。だから、彼をクビになんかしないで!って言ったの。
パパはあたしに甘いから、すぐに納得してくれたわ。車に乗り込んで、小学校まで送りなさいって告げると、彼はなんだか猫みたいににやっと笑って、
「ありがとうございます、お嬢様」
って言ってくれたの。とってもいい声で。ああ、どうしよう、好きになりそうかも!!
だけど、なんだか恥ずかしいから、あたしはできるだけツンってすまして、ランドセルを横において座っていたわ。
「職務専念義務」
彼はいっつも煙草を吸う。パパは煙草が嫌いだから、あたしの送り迎えの時にこっそりと。それを見るのが好き。あたしだけの秘密っていう感じがして。
「ねえ、好きなんだけど」
今日も外で煙草を吸う彼を、車の中から見つめながら、少しだけ窓をあけて、勢い余って言ってみた。
彼は一瞬だけびっくりしたような顔をしたけど、またすぐに猫みたいに笑った。
「ありがとうございます、お嬢様」
「……それだけ?」
あたしが子供だからって馬鹿にしてるんじゃないの?そう思って睨みつけたら
「でも、私には職務専念義務があるんで。誠実に自分の能力を発揮して仕事をしなければならないんで。注意力のすべてをその職務遂行のために用い職務にのみ従事しなければらないので」
そうして、煙草を捨てると、車に近づく。あたしに窓をもう少し開けるように告げ、あたしは素直にそれに従う。
「だから、お嬢様のことを“そういう目”でみたら、職務に専念できなくなってしまうので。そうすると、債務の本旨に従った履行がないってことで、給料もらえない恐れがあるので、申し訳ありません。もしも私がクビになって、気がかわらなかったらその時はお願いします」
よくわからないけど、そういっていつもより優しく微笑むと、窓越しにあたしの頭を撫でた。いつも付けてる白い手袋はついていなくて、大きくてあたたかい手が直接あたしの頭を撫でた。
子供扱いされている気がしたけど、子供だからってふるんじゃなくて、何言ってるかよくわからなかったけどちゃんと理由を言ってくれた。
「……まあ、今日のところはこんなもんでいいわ!」
あたしがいうと、彼はまた猫みたいに笑って、
「帰りましょう、お嬢様」
白い手袋を付けるとハンドルを握った。
「使用者」
「使用者の言う事が聞けないの!?」
「確かに私はお嬢様の指揮命令下にあるといっても過言じゃありませんが、労働契約の相手方はあくまで旦那様ですし、お嬢様に責任を負わせるわけにはいきませんし、お嬢様は使用者とは言えませんね。それに、そんな脅しをかけなくてもお嬢様の言う事なら聞きますよ」
試験終わったら軽くまとめようと思うけど、忘れない様にメモ。
お嬢様。
某大手企業グループ総帥の一人娘。おしゃまさん。我が侭。
小学6年生。イケメン好き
運転手
もともとはお嬢様付きではない運転手のはずが、お嬢様に気に入られたのでほぼお嬢様付きの運転手。
茶髪、口ひげ、愛煙家、腹黒い
20代後半?
以前はタクシー会社で働いていたが、争議行為の関係で会社を辞めた。
残念ながらカノジョがいる。
「イースタン・エアポート事件と東谷山家事件」
あたしは某大手企業グループ総帥の一人娘。パパは心配性だから、あたしの学校の送り迎えにハイヤーを付けてる。運転手は3人いて、みんなあたしのお気に入り。清潔感のあるイケメンがいいの。だから、みんな黒髪で髭もきちんとそって、白い手袋をつけているわ。
でも、あたしの特にお気に入りの一人が今月で辞めてしまうの……。とっても残念で、たくさん駄々をこねたけど、お家の事情は仕方ないわ……。新しい人もイケメンだし。そして、新しい人の初勤務の日。パパと新しい運転手がもめているのを見かけたの
新しい運転手は、茶髪で口ひげを生やしていたの。パパはそれに怒っていたわ。シュウギョウキソクに反するって。ああ、でもね、でもね。茶髪でも短い髪の毛はとっても爽やかだし、口ひげもとってもお洒落だったわ!!彼は爽やかでとっても格好よかったの!!
だからね、あたしはパパに言ったの。茶髪ぐらい今時クラスの男の子だってしているし、彼の茶髪はそんなに明るくなかったし、髭だって無精髭じゃなくて綺麗に整えていた口ひげだったし。だから、彼をクビになんかしないで!って言ったの。
パパはあたしに甘いから、すぐに納得してくれたわ。車に乗り込んで、小学校まで送りなさいって告げると、彼はなんだか猫みたいににやっと笑って、
「ありがとうございます、お嬢様」
って言ってくれたの。とってもいい声で。ああ、どうしよう、好きになりそうかも!!
だけど、なんだか恥ずかしいから、あたしはできるだけツンってすまして、ランドセルを横において座っていたわ。
「職務専念義務」
彼はいっつも煙草を吸う。パパは煙草が嫌いだから、あたしの送り迎えの時にこっそりと。それを見るのが好き。あたしだけの秘密っていう感じがして。
「ねえ、好きなんだけど」
今日も外で煙草を吸う彼を、車の中から見つめながら、少しだけ窓をあけて、勢い余って言ってみた。
彼は一瞬だけびっくりしたような顔をしたけど、またすぐに猫みたいに笑った。
「ありがとうございます、お嬢様」
「……それだけ?」
あたしが子供だからって馬鹿にしてるんじゃないの?そう思って睨みつけたら
「でも、私には職務専念義務があるんで。誠実に自分の能力を発揮して仕事をしなければならないんで。注意力のすべてをその職務遂行のために用い職務にのみ従事しなければらないので」
そうして、煙草を捨てると、車に近づく。あたしに窓をもう少し開けるように告げ、あたしは素直にそれに従う。
「だから、お嬢様のことを“そういう目”でみたら、職務に専念できなくなってしまうので。そうすると、債務の本旨に従った履行がないってことで、給料もらえない恐れがあるので、申し訳ありません。もしも私がクビになって、気がかわらなかったらその時はお願いします」
よくわからないけど、そういっていつもより優しく微笑むと、窓越しにあたしの頭を撫でた。いつも付けてる白い手袋はついていなくて、大きくてあたたかい手が直接あたしの頭を撫でた。
子供扱いされている気がしたけど、子供だからってふるんじゃなくて、何言ってるかよくわからなかったけどちゃんと理由を言ってくれた。
「……まあ、今日のところはこんなもんでいいわ!」
あたしがいうと、彼はまた猫みたいに笑って、
「帰りましょう、お嬢様」
白い手袋を付けるとハンドルを握った。
「使用者」
「使用者の言う事が聞けないの!?」
「確かに私はお嬢様の指揮命令下にあるといっても過言じゃありませんが、労働契約の相手方はあくまで旦那様ですし、お嬢様に責任を負わせるわけにはいきませんし、お嬢様は使用者とは言えませんね。それに、そんな脅しをかけなくてもお嬢様の言う事なら聞きますよ」
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