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表立って載せるほどではない小噺と、あとがき。 その他キャラ設定などなど、徒然なるままに書き連ねるページ。 

Lonely is not only.

 毎日通る電車の窓から、その櫻を見ていた。
 3月の上旬にはその櫻は花を咲かせていて、少し濃いピンク色だったので最初は梅かと思っていた。
 周りの櫻はまだつぼみのうちに、その櫻は満開になっていた。周りの櫻とは違う品種なのだろう。
 3月の中旬には満開になり、3月の下旬には綺麗な新緑になっていた。
 その櫻が綺麗な新緑になったころに、周りの櫻は綺麗な花を咲かせていた。
 ピンク色の櫻たちの間で、その櫻だけが満開に花開いていた。

「なんだか、一人だけ仲間はずれでかわいそうだね」
 その櫻の話をしたら、そう言われた。
「他の桜が咲く前に咲いて、他の櫻が咲く前に散ってしまうなんて、仲間はずれみたいだね」
 私は、そうは、思わなかった。

 毎日毎日その櫻が咲いて、散って、葉桜になるのを見ていた。
 まだ他の木が花をつける前に咲いて、他の櫻が咲いた頃には綺麗な新緑になって。その櫻はあの櫻たちの中で一番目立っていた。
 仲間はずれなんかではない。あの櫻は、自分がどうやったら一番綺麗に見せられるかを知っていたのだ。

 私は、櫻をかわいそうだといった彼にふられた。
 彼は、周りとなじめない私をかわいそうだといって勝手に同情してきて、協調性のない私に呆れて去っていった。
 私は、周りとなじまない私をかわいそうだと思ったことはない。一人は寂しいことではない。

「お先にー」
「お疲れ様です」
 先に帰る同僚に笑いかけ、パソコンの画面をにらむ。
 私は職場であるこの研究チーム内でも孤立している。一人で残って、研究を続けている。付き合いがわるいといわれているのも知っている。
 ただ、私はこの研究の成果を早くだしたいのだ。この研究はいずれ多くの人の役に立つ、そう信じているから。

 私は今この研究室に一人きりだ。
 でも、私は孤独ではない。
 私はいつか私が一番輝けるその日のために一人でいるのだ。あの櫻を見習って、自分の輝けるタイミングをはかっているのだ。
 みんなと同じように同じタイミングで輝くことは、一人ではなくても、どこか孤独だ。

 Only is not lonely. 一人は孤独ではない。
 そして、
 Lonely is not only. 孤独は一人ではないのだ。

 **

2年ぐらい前に日記で書いた物
当時の日記↓
 予備校にいく途中に咲いている桜がソメイヨシノではなかったらしく、ずいぶん前に満開になり、今では綺麗な葉桜になっていました。
 それを見てたらちょっと思った。
 孤独って、相対評価な気がするんだ。


 その櫻以外の、ソメイヨシノが咲いているのがいつも気になっていたので、今日は予備校帰りに電車に乗らないで一時間半かけて歩いて帰ってきました。写真をとりながら。
 東京タワーに行ったときにみた、枝垂桜も綺麗だったな。あの枝の感じがとても好き。
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